2020/11/01
「社会保険労務士個人情報保護事務所」認証
業界団体の社労士全国会が認証しているものです。個人情報をしっかりと保護しています。
社会保険・労働保険
手続きの電子申請に対応しています。
行政からの通知書も電子公文書(PDF)で交付されます。
2024/11/19
「社長のブレイン」ぺージを刷新しました。
「労務顧問」サービスの1つとして経営者の皆様に寄り添います。
こちらをクリックしてください。
2024/11/01
「就業規則のチェックポイント」を追加しました。
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「就業規則のもう一度見直したいところ」を変更しました。
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2024/10/16
人事労務の Q&A13-1
通勤経路が2以上ある場合の経路の選択について追加しました。
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2024/06/04
セミナーのページをリニューアルしました。
「分かりやすい」「実務に役立つ」「知識も得られる」
を意識しています。ぜひ、ご活用ください!
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TOPICS
※ 詳細はこちらをクリックしてください。
各省庁等のサイトへにリンクをはっております。
2024/10/01
従業員数51人以上の企業に社会保険適用が拡大される。
2024/09/05
「東京都の最低賃金」が発表される。
2024/06/10
「育児・介護休業法、次世代法の改正ポイント」が公表される。
2024/04/18
「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」が公表
2024/04/16
「働くパパママ育業応援奨励金」(東京都)が発表される。
2024/04/15
「令和6年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」が発表される。
2024/04/01
「令和6年 地方労働行政運営方針」が策定、発表される。
2024/03/21
厚生労働省「ハラスメント対策研修動画」が追加される。
2024/03/11
厚生労働省「令和6年度 雇用保険料率」は令和5年と同率
2024/03/08
協会けんぽ「令和6年度 保険料額表」が公開される。
【10 有期雇用・短時間労働者の管理(パート・アルバイト・契約社員等)】 |
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Q10-1 | 有期雇用契約の労働者の無期転換について、同一グループのうち、異なる法人での勤務期間は通算されますか? |
【11 各種ハラスメント(パワハラ・セクハラ・マタハラ)への対応】 |
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Q11-1 | 2022年4月から中小企業にもパワハラ防止が義務付けられますが、具体的にはどのような対策をすれば良いでしょうか? |
【12 60歳以上の雇用】 |
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Q12-1 | 60歳で定年となった従業員の雇用はどうすればよいでしょうか。 |
【13 手当など給与関連】 |
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Q13-1 | 2つ以上の通勤ルートのある従業員の交通費はどのように支給すればよいでしょうか? |
私は、出版関連の業務を行っている会社でパートタイマーとして働いています。この会社は出版社を中心として関連会社数社からなるグループとなっています。企業間の異動は頻繁に行われています。私も関連会社の1社で4年間の勤務をしていますが、来月から中核の出版社への異動が決まりました。有期雇用契約労働者の無期雇用転換は期間契約が5年を超えた場合に申し出ができるとの事ですが、私の様に同一グループであっても別の会社に異動する場合は期間を通算できるのでしょうか?
ご質問のケースでは異なる会社の雇用契約の期間は通算されません。
一方、同じ法人内での異動は通算されます。
いわゆる「無期雇用転換」は労働契約法第18条に定められていますが、その第1項では「同一の使用者」との間で契約期間が通算されるとしています。
そして、この「同一の使用者」は行政解釈で「事業場単位ではなく、法人であれば法人単位で、個人事業主であれば当該個人事業主単位で判断される」としています。
厚生労働省のQ&Aでも取り上げられています。↓ Q6をご参照ください
https://muki.mhlw.go.jp/overview/qa.pdf
2022年4月からパワハラ防止法が中小企業にも適用されます。当社でもハラスメントと疑われる行為があり、何らかの対策をとる必要性を感じていました。どのような対策をとるのが効果的でしょうか?
パワハラ防止法が2022年4月から中小企業にも適用されます。
正確には「労働施策総合推進法」(より正確には「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)という法律です。
同法の第9章「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等」にある第30条の2から第30条の8までが根拠となります。
そして取るべき対策の詳細は通称「パワハラ指針」(事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針)にありますので、
以下に要点を抜粋します。
なお、大企業には2020年6月から適用されていましたので、世間ではハラスメントに向ける目がすでに厳しくなっていますのでご注意ください。
【 企業として行うべきこと 】
1 パワハラを防止する明確な方針を立て、メッセージとして発信する。
2 社内または社外に、相談窓口を設ける。
3 パワハラ相談や、発生した時には適切、迅速に対応する。
例えば、社長からのメッセージ発信、ハラスメント防止セミナーの実施、パワハラ防止マニュアルの整備 等々があります。
また、パワハラ防止指針では上記の他、次も挙げています。(義務ではありません。)
・性的指向・性自認への配慮(LGBTQ)
・取引先へのハラスメントの予防
・顧客からのハラスメント(カスタマーハラスメント)の予防
特にLGBTQ(より概念を広げてSOGI)への対応の必要性が、年を追うごとに大企業から中小企業へと進んでくるでしょう。
なお、パワハラのみならずハラスメント全体の対策セミナーなどは、一回行って終わりにするのではなく、短時間でも良いので繰り返して行うことが望ましいです。
(当所でもハラスメント対策のアドバイスをしておりますので、お気軽にお問合せください。)
当社では、60歳を定年としています。法律では65歳までの雇用義務、そして70歳までの努力義務があるそうですが、どのようにすればよいでしょうか。
まず原則として、高年齢者雇用安定法では定年は60歳を下回らないこととなっています。そして、同法において65歳までは雇用機会の確保が義務付けられています。つまり、労働条件は変更になるとしても雇用は継続することが義務付けられています。そして、70歳までは就業機会等の確保が努力義務として定められています。ここでは自社での雇用だけではなく、本人がフリーランスになった事を支援することも含まれています。
一般的には60歳時点で退職金を支払って、一旦退職する。そして同日に1年や6ヶ月などの有期雇用で再雇用する。その際に就業日数・時間や給与などの労働条件は再設定するという方法が一般的です。
そして、かつては定年後の給与は定年前の給与の5~6割程度に機械的に下げるということが多く行われていましたが、60歳以上従業員のモチベーションの低下、同一労働同一賃金の問題、社会的な人材不足で高齢者にも活躍してもらう必要が生じたこと、などから給与設定については定年前に比べてほぼ同等とする動きも出てきています。
当社の従業員のYさんは、通勤に際してJRと私鉄を合わせて利用していますが、自宅と会社の距離が遠いこともあり、通勤方法が4通りもあります。当社では通勤手当を受給する際の基準として、「経済的かつ合理的な通勤経路であること」としています。「経済的」とは最安値のことであり、「合理的」とは最短時間のこととして運用しています。そして、多くの場合は、最安値の経路と最短時間の経路は一致します。
さて、Yさんの4通りある通勤経路のうち、有力な選択肢はAとBという2つに絞られますが、Aは最安値ですが最短時間ではない一方、Bは最安値ではないが最短時間となっています。YさんはBとして通勤経路を会社に申請してきていますが、当社としては最安値であるAを選択したいと考えています。
なお、AとBの金額差は3ヶ月定期で10,000円であり、時間差は10分程度となっています。
AルートとBルートのどちらによる通勤手当を支給したらよいでしょうか?
複数の通勤経路がある場合、まずインターネットて提供される路線検索サービスによって推奨されるケースを候補とした上で、判断に迷う場合は最終的に会社が決定すればよいと考えます。
元々、通勤手当を会社が負担する義務はありませんし、支給する際も上限額を設けることができるなどから考えると、柔軟な支給条件の設定が充分に認められるとも考えます。
従いまして、「路線検索サービスで推奨される最安値とする」という原則を設ける事が良いのではないでしょうか。
その上で、妊娠している従業員は最安値ではなくても、混雑の度合いが低い経路にするなどの例外はあっても良いでしょう。
また、従業員本人の意向(習い事に通いたいため、休日に買い物に行きたいため、始発列車があって座って通勤できるため)がある場合に、会社が支給する通勤手当に自己費用を加えた上で、
自分が希望する通勤経路を選択することは認めるべきではないでしょう。しかしながら、実際には会社が把握することはできないと思います。
この場合には会社が認めるべき通勤経路と本人の実際の通勤経路が異なることになりますが、万が一、通勤途中にケガ(駅の階段で転んで捻挫するなど)をした場合でも、本人が選択した通勤経路が
明らかに遠回りであるなどではなく、「合理的な経路及び方法」(労災保険法第7条第2項)であれば労災の保険給付がなされます。
しかし、確実に給付されるとは言い難く、通勤災害の観点からは「会社に届け出た通勤経路と異なる経路で通勤している時にケガなどをした場合は通勤災害が適用されない可能性がある。」という
説明はあってもよいと考えます。
なお、ご質問にある金額差と時間差とほぼ同じ事例での裁判例があります。(平成30.10.24 通勤手当請求控訴事件)
この裁判例では、会社が主張する最安値が通勤経路として認められています。
今回、当社では62歳の方を1年間の有期雇用契約で採用する予定です。当社で若い頃から働いてきた従業員は60歳で定年となり、その後65歳までは再雇用として1年ごとに雇用契約を更新しています。今回、新たに雇用する62歳の方も1年ごとの雇用契約を予定していますが、以前から働いている従業員と同じく65歳まで雇用する必要はありますか?(多少、健康面に不安があるので会社としても気にしています。)
ご質問にある「特別支給の老齢厚生年金」と雇用保険からもらえる
「高年齢雇用継続給付」は、貴社の従業員が厚生年金の被保険者でなければ、併給調整されません。なお、特別支給の老齢厚生年金と、失業給付(基本手当)は併給調整されます。
当社は、企業から各種データの入力を請け負っており、会社の近隣に住んでいる主婦にパートタイマーとして働いてもらっています。
しかし、パートタイマーが30人以上もいると、人間関係のトラブルも発生します。先日も、パートタイマーどうしの衝突があり、当事者の片方はしばらくして退職してしまいました。
トラブルがあると社内の雰囲気が悪くなりますし、何よりもそのような理由で、貴重な人材を退職に追い込むのは、会社として不本意です。
どのような対策があるでしょうか?
近隣に住むパートタイマーどうしのトラブルは、社内にとどまらず、地域社会での隣人関係をも悪化させる、というリスクがあります。
(家が近所、子供の学校が同じ、等々だとなおさらでしょう。)
トラブルを未然に防ぐ、あるいは、芽の小さいうちに摘み取るには、次の様な手法が考えられます。
・会社(総務部)に相談を受け付ける機能を持たせる、あるいは会社(総務)からヒアリングする。
・外部の第三者(顧問社会保険労務士など)が定期的にヒアリングする。
基本的に、「相談を受け付ける」という待ちの姿勢ですと、従業員からすればなかなか相談に行きづらいものです。従って「ヒアリング」を定期的に行うという方法が有効ではないでしょうか。
定期的にパート全員からヒアリング(面談)することで、トラブルの予防のみならず、情報交換することにもつながり、仕事の問題や課題、本人の希望や不満に思っていることなどを話せる良い機会になるのではないでしょうか。その結果、貴重な人材に長く働いてもらえることにもなるでしょう。
当社では、従業員の自転車通勤を認めようと考えています。社会的には環境負荷を軽くできること、従業員の健康維持・増進に役立つこと、会社のイメージアップにつながること、などのメリットがある事が導入の理由です。
一方、歩行者(特に近隣の小学生)との接触事故、駐輪場の確保などのデメリットがある事も認識していますが、その他に注意すべき点があれば教えてください。
△□○△□○ 自転車通勤を開始する前に決めること △□○△□○
自転車通勤をスタートさせる前に次の各事項を決める必要があります。
1 自転車以外に雨天時や疲労時には電車・バス通勤も認めるか?
基本的には自転車以外の交通手段による通勤も認めるべきでしょう。荒天時や疲れている時の自転車通勤は、転倒、自動車・歩行者との接触などの事故が起こりかねません。
2 自転車通勤を認める会社と通勤距離をどの程度にするか?
目安としては2km以上5km未満程度でしょうか。5km以上になると毎日の通勤としては負担が大きいと思います。
3 事故の予防策、万が一の事故発生時にはどのように対処するか?
自動車事故と同じく、まずは被害者の手当、状況によって救急車を呼ぶ、そして、会社に一報を入れる。その後、出社して指定書式によって事故報告をする、ということが必要です。
4 駐輪場をどのように(会社内または近隣)確保するか?
製造業などで社有地に余裕があれば駐輪場の設置も可能でしょう。しかし、それ以外の場合は、入居しているビルや、近隣にある駐輪場を月次契約して従業員に提供することが望ましいでしょう。駐輪場でなくても、駐車場の1区画に何台かの自転車を駐輪できるようにする、という方法もあります。駐輪場が確保されなければ、自転車通勤は認めるべきではありません。
5 駐輪場料金や通勤手当を支給するか?
電車やバスの交通費と同様に会社に支払い義務はありませんが、自転車の維持や保険料などもありますので、駐輪場の料金は会社で負担、通勤距離が2km以上であれば非課税額の範囲内(4,200円以内)で手当を支払っても良いでしょう。
△□○△□○ 日常の管理で行うべきこと △□○△□○
1 「自転車損害賠償責任保険」等の保険証コピーを提出させる。
自転車でも歩行者に衝突すると重大事故になる場合があります。
相手が死亡したり障害が残ったりするケースでは損害賠償額も5,000万円~1億円程度の高額になることもあります。
保険は1億円以上の損害賠償を補償できるものが望ましいです。
また、保険が満期になるごとに新証券のコピーの提出も大切です。
2 通勤時はヘルメット着用を義務付ける。
自転車に乗っていて事故で死亡する人の損傷部位は頭部が約6割、また、ヘルメット着用により致死率が5分の2に抑えられるそうです。
一昔前と違って、デザイン性の高いヘルメットも多いですので、抵抗なく着用できるのではないでしょうか。
3 1年に1回は、会社が安全利用のための指導を行う。
自転車通勤に限らず、ハラスメント・SNS利用・社有車運転などは、1年以内に1回程度の研修・指導で事故や不祥事を防ぐべきです。
「知っている」と「知らない」では結果に大きな違いが生じます。
また、会社に空気入れや工具を用意して、自主的な自転車の点検、整備を行うことを促すことも良いでしょう。
4 可能であれば更衣室を提供する。
すでに制服に着替える会社なら問題ありませんが、制服がない会社の場合、自転車通勤に適した服装からスーツなどの仕事着に着替えるための更衣室も必要でしょう。
自転車通勤に適した服装ですと事故の予防にもなります。
△□○ 労災は適用されるか? △□○
自転車通勤での事故も通勤災害の対象となります。
ただし、寄り道をした時は適用されません。
また、会社へ報告している通勤方法は電車であっても、自転車を本来の用法に従って、合理的な経路で通勤した場合には、通勤災害が適用されます。
当社は、フランチャイズのファストフードを4店舗、運営しています。
1か月に1回、本社の会議室を使って開かれる自由参加の勉強会を開いていますが、先日、ある従業員が店舗での勤務後、本社へ移動して勉強会へ参加しました。その帰り道に雨が降っていたこともあり、事故にあってしまいました。この場合は、通勤災害になるのでしょうか?
(1)基本となる考え方
通勤災害となるには、移動が「就業に関し」行われたことが必要です。
(労災法第7条第2項)なお、「就業に関し」、次の行政解釈があります。
『移動行為が業務に就くため又は業務を終えたことにより行われるものであることを必要する趣旨を示すものである。つまり、通勤と認められるには、移動行為が業務と密接な関連をもって行われることを要する事を示す』
より具体的には次の通達があります。
『業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めてもさしつかえない。』(昭48.11.21 基発644)
『業務終了後、事業場施設内で労働組合の用務を約1時間25分行った後の退勤(中略)は、就業との関連性を失わせると認められるほど長時間とはいえない』(昭49.3.4基収317)
『業務終了後、事業場施設内でサークル活動を2時間50分行った後の退勤(中略)は、就業との関連性を失わせると認められるほどの長時間といえる』(昭49.9.26基収2023)
また、通勤災害の要件として、「住居と就業の場所との間の往復」があり、「就業の場所」とは、『業務を開始し、又は終了する場所をいう。』と解釈されます。
(2)基本となる対策
本ケースで通勤災害を適用したいなら…
①自由参加の勉強会を行うならば「各店舗で」「2時間以内を目安に」行う。
②研修を強制参加として、「業務」にする。
しかしながら、労災(通災)認定は、労働基準監督署長がするものであり、これらの対策を取っていても、実態を勘案して労災認定されない可能性もありますので、あくまでもご参考として、ご理解ください。